治験と治験コーディネーター(ORC)あれこれ

治験の期間

治験の期間

ここでは、治験の期間についてお話したいと思います。どんな治験でも参加した場合には、負担軽減費(治験に参加して頂いた協力費)が実施医療機関から支払われますが、参加した場合ですので、本人が「同意」した日から支払われます。つまり、治験の参加は医師から渡される「同意書」に署名・捺印した日になります。治験によって違いはありますが、大体の場合は、同意書に署名・捺印してから当日のうちに検査を行い、お薬(治験薬)を服用して問題ないかどうかを医師が判断します。医師がお薬(治験薬)を服用できないと判断した場合は、その日のうちに又は数日後に医療機関から連絡が来て、その時点で治験の終了になります。

治験薬の服用

医師が薬(治験薬)を服用して問題ないと判断した場合は、早ければ1週間、遅ければ3ヶ月から半年後位に薬(治験薬)の服用が始まります。薬(治験薬)の服用が3ヶ月から半年位かかる理由として、お薬(治験薬)の服用が問題ないかどうかを医師が判断するのに3ヶ月から半年位を要する場合があるのです。主に、この期間を観察期間と言います。

治験薬服用後の観察

治験薬を服用して、何を観察するのかと言いますと、治験に参加して頂く方の症状が、一時的なものであるのかどうか見極める場合があるのです。例えば、糖尿病の試験などで、同意後の検査で血糖値が高値を示したとしても、運動や食事の改善などで完治してしまう場合が多々あります。しかし、その治験薬が、食事や運動の改善では難しい患者さんを対象にしている場合は、そうであるのかどうかを見極める必要があります。従って、このような治験の場合には、3ヶ月から半年位観察期間を設けて、患者さん(ボランティアさん)への服用の有無を検討します。その観察結果によって薬(治験薬)の服用が問題ない方とそうでない方を治験責任医師が判断します。この場合もまたお薬(治験薬)の服用に至れないと医師が判断した時点で治験終了になります。

治験薬服用後の観察期間

治験薬を服用して頂く場合は、これもそれぞれの治験によりますが、短ければ1ヶ月から6ヶ月、長ければ1年から5年位治験薬を服用します。その間約1ヶ月に1回程、治験実施医療機関に来院します。この来院回数は、治験によって異なりますのであくまでも目安ですが、6ヶ月の治験なら、来院回数は約6回から8回ほど、2年の試験なら来院回数は、約24回から30回ほどになります。また、これら以外にも、医師が治験中の検査データに異常値を示したりした場合は、緊急で来院の要請が来たりしますので、来院回数は本当に目安です。

通常の治療と治験の違い

このサイトでは治験についてまとめていますが、そもそも、験参加という事は、普通に病院に通院して治療する事と同じなのです。治験に参加すれば、その治験実施医療機関の患者さんになることと同じ事です。そのため、その治験実施医療機関にカルテが出来ます。そして、初診料や診察料がかかります。場合によっては紹介状が必要になります。このような考え方であれば、治験の来院回数も、決められた回数通りではなく、医師から要請があれば来院する必要も出てきます。このように、治験とは言いながらも、あくまでも、医師と患者さんの関係である事がわかると思います。

通常の治療と治験の負担軽減費について

負担軽減費(治験に参加して頂いた協力費)に関しても、通常の治療なのですが、治験に協力して頂いていると言うことで、来院等の負担を少しでも軽減出来ればとの事で、金銭の支払を行っています。この金銭の事を「負担軽減費」と言います。この負担軽減費の金額の設定やお支払方法も、依頼者である製薬メーカーではなく、治験実施医療機関、つまり病院がそれぞれ設定しています。製薬メーカーが依頼していますが、治験の実施者は医療機関なのです。従って、病院によっても異なりますが、目安としては、1来院(Visitあたり)につき約7,000円から約10,000円程です。支払方法も病院によって異なりますが、来院毎に手渡しにてお支払いする場合や数来院分をまとめて銀行振込にてお支払いする場合があります。しかし、初診料や診察料は、その場でお支払いをお願いすることになります。初診料などをお支払い頂くのは、「治験に参加して頂くボランティアの方は、その病院の患者さんである」という事が前提だからです。通常、病院に診察に行った場合と同じです。そのため、初診料や再診療と負担軽減費を相殺した金額が実質的な金額です。

治験の有効性と不利益

治験の有効性と不利益についてもお話したいと思います。

治験の有効性

治験は、これまでの治療法よりもよい治療法を確立することを目指して実施されます。新しい治療法の効果が高いこともありますが、よいと思われていた新しい治療法が、実際にはそれほど効き目が高くないというケースや、副作用等が強いことがわかるというケースが治験によって分かることもあります。つまり、治験に参加することが患者さんにとって有利になる場合もありますが、不利になる場合もあるということです。このようなことが起きるのは、新しい治療法の有効性や安全性がわからず、必ずしもよい治療法であるとは限らないためです。そのために、新しい治療法を確立していく過程で多くの患者さんのご協力を得て、臨床試験を実施する必要があるのです。臨床試験を実施しないと、実際に有効なのか、安全性がどのくらいなのかがわからない新しい治療法が漫然と行われ、治療法の効き目や副作用等の情報が蓄積せず、問題を把握することができません。

治験の不利益

治験に参加する患者さんや治験ボランティアには、参加することで新しい治療法を受けられる可能性がある一方で、不利益を被る可能性があることも十分に理解していただく必要があります。臨床試験への参加を希望する患者さんは専門家から十分な説明を受け、十分に納得した上で同意し、参加してください。

治験まとめ

治験は、患者さんや治験ボランティアの参加によって成立します。そこには、臨床試験を安全に、倫理的に、かつ科学的に行うために、患者さんと直接接する医師や臨床試験専門のスタッフ(臨床研究コーディネーター用語集アイコン(治験コーディネーター):CRC(シーアールシー))をはじめとする医療従事者のほかにも、表からは見えないところで多くの専門家がかかわっています。具体的には、新しい治療法を臨床試験の中で実施することが倫理的かどうか判断する倫理審査委員会のメンバー、患者さんがどのような治療を受けたか、どのような副作用が出たのか、治療の効果はどうであったかといった情報を正確に集めて記録する専門家、臨床試験から有益な情報を得られるようにデータの取り方を考える専門家、臨床試験の結果を分析する専門家等です。このように、臨床試験は非常に多くの患者さん、医療関係者、専門家の協力によって動く大きなプロジェクトです。さらには、このプロジェクトをスムーズに運営するための専門家も加わって、臨床試験を支えています。

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